瓦礫の中のゴールデンリング

アニメを作ってます。アニメがお仕事です。

秋が来て。

暑い夏が終わり、今年は割と順調に秋に移行しているようで、過ごしやすい。

8月から抱えていた7月期放映の残り仕事、まだ先の方の作品の絵コンテ仕事が終わり、夏休みの宿題を提出し終わった気分。しかし…、暇にはならない。ちょっと休みが取れるかと思ってたが、無理っぽい。

6本放送があった7月期に比べ、10月期は、もうずいぶん前に納品を終えたものが一本放映予定があるくらいで、急な仕事を受けない限り(ムリ)それだけだが、今進行してるのは来年の放映作品ばかりで、これが結構な量ですよ。ドラえもんに道具出してほしいです。

野を越え山越え。

先々週、先週、今週と木曜日にカッティング(編集)が続いた。もともと先々週に2本被っていて(同じ制作会社のダブルブッキングでしかも直前に知らされる)、まあこちらとしても制作としても無理じゃ、ということで先週に1本ずらしてもらったらそれも別会社の作品と日程が被っていて、今度はそちらが諸々の遅れで一週落ちるということになり、きれいに三週連続で。先週ダブルヘッダーの可能性もあったのだが、そうなってたらきつかったな。この辺の作品は放送は来年なので、慌ててはいないけど、近々に放送だがまだ全然上がったカットを確認してないという、怪奇現象のような作品も抱えていて、まあ忙しいです。

それでも今日は少し山場を乗り切った感があり、問題なく編集作業も進められた(2時間で終わったよ)ので良かった。十代の頃から好きな、ある実写ドラマシリーズを強く意識した作品で、コンテをもらった時から「来たぞー」とワクワクしてた。

間断なく次の山を越えるのだ。

パンパン。

暑いから夏は嫌い。次々に仕事が来るのを何とかやってます。何件か、新しい仕事の電話がかかってきて「直近の仕事で、何とかなりませんか…」というのもあったのですが断ったりしてます。だって春ぐらいから入ってくる仕事を際限なく受けてたら、もうパンパンなんだもん。一人の人間が一遍にできる仕事の量は限られてるしな。世の中は演出家不足らしい(いつまでかは知りませんが)ので、演出やりたい人は申し出てみればいいかもな。

走る走る。

今のところ、今年に入ってから放送された作品で、自分のクレジットがあるものがまだ1月と3月の2本しかないのですが、別に暇にはしておりませんで、というか忙しいです。ぽろぽろと仕事が入ってきては順番にやってます。最近は制作期間がやたらと長い、さらに納品してから放映までえらい間が空く、ような作品と時間が全くなくて放映数日前まで苦闘した挙句に徹夜で待機してぐったりみたいなものが両方あって、昨年から作ってるけど放映は来年という時空のゆがみの一方で6月に作り始めて放映は7月だからよろしくな、とかそういうの。

7月期は、そういうわけで大分前に作ったもの、現在バリバリ制作中のものが入り乱れて放送されることになりそうです。

5月かあ。

5月1日で52歳になりました。業界に入って25年の老人です。

26歳の終わりに、人よりだいぶ遅れて大学を卒業して、制作会社に就職した春。就職のための運転免許合宿で、苦戦して居残りとなりここでも卒業が遅れ、一週間就業開始が延びました。山形の自動車学校から帰ってきたら東京では4月の雪が降ってたり。映画館に春エヴァ観に行ったり。同期で会社に入った人は、今はもう誰も業界には残っていなくて、亡くなった人もいる。結局半年しかいなかったその会社自体もいろいろ変転があり、最近フリーランスとしてそこでも仕事してますが、当時の人は誰もいません。

制作進行から30過ぎで演出になってからでも20年。あっという間だな。

誰でもいつかはさ。

昔から知っている人の訃報を聞くことが多くなってきて、歳をとっているのだから、子供のころからあこがれた人などが鬼籍に入ることはもう珍しくもないのですが、結構知り合いが若くして亡くなるというようなことも(コロナのせいばかりでは決してなく)増えてきて、50歳を越えると死について心のどこかでいつも考えているような気がします。

死について考えるのは、つまりは生きることについて考えるということでもあるのですが、根拠のない自信で何でもできるんだ、と思っていた年頃はとうに過ぎ、何も果たされないだろう人生の終末が思い浮かぶ。それでもまだ僕は生きているし、20年前よりも10年前よりも今、ましな生き方をしていると思う。そう、まだ時間はあるんだから。