瓦礫の中のゴールデンリング

アニメを作ってます。アニメがお仕事です。

口と手と。

仕事は口を動かすことと手を動かすことに大きく分かれている。
口を動かすのは打ち合わせで、手を動かすのはチェック。仕事としてどっちが楽しいかというと、1秒たりとも働きたくないという本音は置いといて、どっちも楽しいです。曲りなりにも15年、演出を続けられているのはこの仕事であればどこかに楽しさを見出せる、ということだろうと思ってます。不思議なもので、人間は仕事したくない、寝てたい、酒飲みたいとか思ってても実際に仕事するとこの仕事のここは面白いとかいうのが出てきて、自分で自分に暗示をかけるというか、詰まんねえ作業だなと思いつつパン屋の工場で深夜労働してても印刷会社で紙の送りやっててもハイになってゆく。演出の仕事も同じで、もともとアニメを作るのが好きでやっているのが上乗せされて、「この作品面白くない」と思っててもどっか楽しめる部分を探して適応しちゃうのですね。なんとか逃げずに仕事ができる。
で、口と手の作業が分かれていることも重要なんだと思ってます。言葉として発してゆくこと中心の打ち合わせと、絵や字を書いてゆくチェックと両方あるから退屈しないし、何とかなってる気がする。