瓦礫の中のゴールデンリング

アニメを作ってます。アニメがお仕事です。

タブレット。

ちょっと前にタブレットを買った。世間で流行りのスマホを大きくした奴ではなく、ペンタブレットで、板ですが。
これもちょっと前、某スタジオでタブレットの練習をさせてもらってたことがあって、最初は線はよれるし、感覚がつかめなかったのだけれど、少しやってるとペンが思うところに行くようになった。
液晶タブレットが欲しいと当初は思ってたのだが、高いし、使っている(いた)人の意見として「描いてるときに自分の手が邪魔」「手元にいろいろウインドウとかが出てくるのうざい」というのがあって、職業としてイラストレーターをやるわけでもなければ板で十分だろうと、この前最新の機種を買いました。正解だったと思います。
何年か前に絵コンテを描くのに使えないかとコミスタと一緒にバンブーのタブレットを買って持ってたのですが、ちっちゃいし使いにくい…、つるつるでペンが引っ掛からない…世間ではこれで絵が描けるの?と不思議でしたが、その辺の精度が段違いにアップしてて、ラージサイズだと画面との引き幅のギャップもなくて使いやすい。膝の上にのせて使ってます。
アニメ業界で紙の時代はあと数年で終わるか、一部で残るかではないかと思ってて、作画や演出のデジタル化は避けられない、つまり従来の紙に描いてゆく作業はなくなってゆくのではないかと考えています。何年か前からいくつかの会社で動画をデジタル化していて、そのあとの行程として紙に描いたものをスキャンして仕上に渡し仕上が線を修正したうえで塗る、というのが無意味になりそうです。スキャンしないなら線を引いた動画さんが仕上までやれば一番早い。いつも人口に膾炙する動画さんの収入問題も、デジタル化によるスピードアップと仕上の兼任で改善される可能性がある。
従来の分業体制の中での仕上をやっている人の仕事はどうなるのか、というのはあるのですが、長い目で見れば、この流れは避けられないと思っています。これから分業体制自体の見直しがいやおうなしにアニメ業界に来るでしょう。「東風が吹くよ、ワトスン君」