瓦礫の中のゴールデンリング

アニメを作ってます。アニメがお仕事です。

最近のお仕事。

今年は結構仕事してた。

昨年末から某長寿シリーズのレギュラーが入ってくれたので、家計的には非常に助かっています。当てのない個人事業主なので安定したシリーズの仕事は正直喜ばしい。

秋番組では1本演出。あと1本、クレジットに出ない仕事でコンテ撮のタイムシートをつける、というのをやりました。両方とも大急ぎの仕事でしたが、もう放映されました。

現在レギュラーと並行して、1月番組のシリーズ2本が作業中。さて来年はどうなることやら。

終末の世界で。

毎日ブログ書いてた頃が懐かしいなあ。…というわけで久しぶりに。

現在3本お仕事が動いていますが、内2本は停滞してます。

ご多聞に漏れずウイルスさんの猛威のおかげで、スタジオが動いてなかったり音響作業が止まってたり。

4月番組の後半の話数作ってますが、ダビングが延び延びになってていつできるのか、予定通りの放送ができるのか謎です。結構制作期間が長い作品だったのがずるずると伸びてゆくという。

既に定番作品は再放送シフトに入り、1クールの作品は次のクールにとかなってますが、春の番組を夏に付け替えてそれで終わるかというのも大いに疑問です。一部で、元々の夏番組と合わせて豪華な布陣になるという期待もあるようですが、夏までにどうにかなっているとは思えないというのが実感です。テレビアニメの放映の状態が元に戻るには少なくとも半年、もしかしたらウイルスがひと段落しても制作や放映、配信の元の形態には 戻れないかもしれません。

また廃業せざるを得ない会社、人が多数出てくるのではないかと思っています。

確かな見通しは誰にもありません。フォースとともにあらんことを。

 

 

最近始まった新しい仕事が荻窪の会社から東久留米の会社にグロスに出されてるもので、話が来たときはあまり乗り気じゃなかったんですが(荻窪の方がだいぶ前に書いたゲーム原作のPVで途中下車したところだったので向こうの心証が悪かろうと)、制作にも過去の事情があるけど…と正直に話したのだが、別に気にしてないらしくそのままスルー。制作プロデューサーも同じ人だし、ユルイ業界だなあと改めて感じています。まあ、あの時の作品自体上がってきた原画の素材がユルユルでどうしようもなかったり、美術設定が2枚しかない、3Ⅾと2Ⅾを組み合わせるカットの方法が決まってなくて、打ち合わせもしてないし、と足らないものだらけの状況だったので一方的に気にすることじゃないかもしれないが。

18日の火事、というより放火事件は胸が苦しくなりました。

京都アニメーションの仕事を熱心に追いかけていたファンでもなく、仕事上のつながりを持っていたわけでもないのですが、こんな理不尽なことで人の命が奪われていいはずはなく、同業者としてうらやましく思っていたスタジオが一瞬にして壊滅させられてしまったことに、言葉にならないものがこみ上げてきます。

だからせめてこんなことを気の利いた発言だろと発しないでほしい。

書かれてることの事実関係にしても、いきなり1973年に手塚プロダクションが瓦解したってそれなに?73年に倒産したのは虫プロダクションだよ。スタジオぴえろは手塚系(虫プロ系)じゃなくてタツノコプロの人脈だよ。デタラメ書いてんじゃねえよ!


www.insightnow.jp

白石やxxなんかはは
現場でも演出の見つからない時の最期の手段と認識されてると思うわ

某巨大掲示板で言われておりましたけれども、最期の手段が僕レベルってちょっとひどくないですか。こっちも最上の演出レベルだとか思ってるわけじゃないですけど、それなりに人の仕事は助けてきた(演出がいない、途中で降りてしまった、逃げたとかの案件やら時間が極端に足らない案件)し、相手に感謝もされてきたんですよ。それ以外にも普通に演出の仕事してるし。演出になった頃からで慣れっこではあるんだけど、「演出がいなくなったから」って理由で依頼してくることに演出側に何の責任もないし、制作の責任だと思うんだけど、なんでそんなに偉そうなんだよ。バカだろうお前ら。少なくとも僕に依頼してくれる人はそんな人いないよ。

「薄暮」を観てきた。

いろいろ書いた手前、観ないわけにいかないだろうと21日の金曜日に早起きして、シネリーブル池袋で山本寛監督の「薄暮」を観てきました。初日の1回目。客は20人ほど。自分も含めておっさんばっかり。

一応すべてのカットに色がついた状態で埋まっていて、最初の試写会の惨状から何とか頑張ったらしい。WUGのBTBと同じで、制作が監督を置いといて仕上げたんじゃないかと思う。

美術と音楽は良かった。作画もトータルでは悪くない。ただ、見せ場であろうカルテットの演奏シーンで「太陽の王子ホルスの大冒険」の狼の群れのシーン(作業の時間がなくて止め絵を繋いでいる)を思わせる数カット止め絵が続くというのがあり、この辺はあとで直しが入るのかなと思った。

しかし、映画としては凄くつまらなかった。

高校生の男女が出会う。だらだらとラブラブなのかよくわからない状態が続き、最後に男が告白する。話としてはそれだけ。別に宇宙人が侵略してくるとか怪獣が出現するとか戦争が始まって…とかを期待したわけではもちろんないが、重要なのってそこから先の話じゃないの?互いに惹かれ合っているという状態が続いて何の障害も葛藤もなくて、周りも見守っていて、さっさと付き合えばいいんじゃないの?としか思えなかった。

どういうことかというと、ゴジラが出現してどうやって倒すか、といろいろドラマが生まれるのではなく、唐突にゴジラが出現しました、終わり、みたいな話なわけですよ。やはりこれは辛いんじゃないか。